10月18日(土)、第2回美濃体感ツアー~「空き家改修のリアルを知るツアー」~を開催しました!
今回のテーマは“じっくり一軒に向き合う”。一見ふつうの空き家に見える物件でも、じっくり観察していくと「魅力」と「リスク」の両方が浮かび上がります。現地での見学とワークショップを通じて、参加者が自分の目で確かめ、考え、言葉にする一日を目指して企画・実施しました。
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まずは美濃市役所に集合し、長良川鉄道「美濃市駅」を経由して現地へ。今回はたまたま鉄道利用の参加者はいませんでしたが、美濃市駅は地域の玄関口。まちのスケール感や生活動線を感じられるランドマークとして、出発点にふさわしい場所。車中心の暮らしが一般的な地域ですが、公共交通の拠点を意識した移動は、美濃での暮らし方を想像する良いきっかけにもなります。
訪れたのは、美濃市の「乙狩(おとがり)」と呼ばれるエリア。移動中には市職員による美濃ガイドもあり、在住者の私でも見落としがちな地域の歴史や小さなトピックに気づく場面もありました。「知っているつもり」の日常を、少し違う角度から見直せるのも、現地ツアーならではの体験です。

物件に到着したら、まずは外観チェックから。屋根や外壁の劣化サイン、敷地や周囲の環境などを丁寧に観察します。今回の物件は畑に囲まれた立地が特徴で、いわゆる“田畑付き”の空き家。敷地条件が持つポテンシャルは大きく、暮らしや営みのイメージが膨らみます。一方で、維持管理や災害発生時の影響、自然との距離感など、使いこなしの視点も必要です。

昼食は、WASITA MINOに拠点を移し、「かりぃ」さんのヴィーガン料理をいただきました。大豆ミートなどを活用したメニューは満足感があり、食の志向や制限がある方はもちろん、「おいしければOK」という方にも喜ばれる内容でした。地域の食に触れる時間は、物件だけでは伝わりにくい“暮らしのリアル”を感じる機会にもなります。
午後パート。
昼から一般社団法人インクの安藤さんが合流。古民家の調査や設計、ワークショップの実務を担い、この春から代表も務める実践者です。午前の観察を土台に、見落としがちなチェックポイント、費用が膨らみやすい工程、DIYとプロ工事の切り分け、段階的改修の組み立て方などを具体的に解説。参加者の「建物を見る解像度」がぐっと上がる時間になりました。

会場を移し、保育園留学の寮「卯屋(うさぎや)」も見学しました。こじんまりとした古民家を可愛らしく、かつ機能的に改修した事例で、短期滞在という用途に合わせた設計の工夫が随所に見られます。長期居住と短期滞在では求められる性能や動線が異なるため、「暮らしの設計」と「改修の設計」をセットで考える重要性が垣間見えます。
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この日は、うだつの上がる町並みで開催される「あかりアート」の歩行者天国デーでもありました。一部の方はツアー後も美濃に残り、昼とは違う美濃の表情を楽しんでいただけたようです。一日を通して、物件だけでなく“まち全体の体感”につながる時間になりました。
次回の第3回美濃体感ツアーは、12月5日(金)に開催予定です。
内容は「片付けワークショップ(仮)」としてリニューアル中。単なる片付け作業ではなく、建物と向き合い、そこにあった物の背景にも思いをはせながら、改修・利活用へとつなぐ学びの場を構想しています。
詳細は準備が整い次第お知らせします。どうぞご期待ください。